夏の風物詩、浴衣。花火大会やお祭りで着てみたいけど、「何から揃えればいいの?」「自分で着付けなんてできるかな?」と、不安に思っている方も多いのではないでしょうか。大丈夫です!この記事では、浴衣に関するあらゆるお悩みを解決するための情報を、ぎゅぎゅっと詰め込みました。特定の商品の宣伝は一切ありません。純粋に浴衣を楽しむための、お役立ち情報だけをお届けします。この記事を読めば、きっとあなたも浴衣マスターになれるはず。さあ、一緒に浴衣の世界を覗いてみましょう!
浴衣ってそもそも何?着物との違いを知ろう
まず最初に、浴衣の基本からおさらいしましょう。「浴衣って着物の一種でしょ?」と思っている方、正解です!でも、着物とはちょっと違う、浴衣ならではの特徴があるんですよ。
もともとはお風呂上がりのバスローブだった!
浴衣は、漢字で「浴衣(よくい)」と書くことからもわかるように、もともとは平安時代の貴族がお風呂に入る時に着ていた「湯帷子(ゆかたびら)」がルーツだと言われています。当時は蒸し風呂が主流で、汗取りや火傷防止のために麻の着物を着ていたんだとか。それが江戸時代になると、庶民にもお風呂の文化が広まり、お風呂上がりに着るリラックスウェアとして木綿の浴衣が定着しました。いわば、昔のバスローブやパジャマのような存在だったんですね。それが時代の変化とともに、夏の夕涼みや盆踊りなど、ちょっとしたお出かけ着として着られるようになり、今の「夏のオシャレ着」としての浴衣に進化したんです。
着物と浴衣の決定的な違い
では、現代において「着物」と「浴衣」は何が違うのでしょうか。一番大きな違いは、「長襦袢(ながじゅばん)を着るか、着ないか」です。
- 着物:訪問着や振袖、小紋などの一般的な着物は、肌着の上から「長襦袢」という着物とそっくりな形の下着を着て、その上に着物を重ねて着るのがルールです。これによって、汗や皮脂が直接着物に付くのを防ぎ、着物のシルエットを美しく見せる効果があります。
- 浴衣:一方、浴衣はもともと湯上がりに着るものだったので、長襦袢は着ません。浴衣用の肌着(ワンピースタイプや上下セパレートタイプなどがあります)の上から直接、浴衣を羽織ります。このシンプルさが、浴衣の気軽さの魅力でもあります。
他にも、素材や着ていく場所(TPO)にも違いがあります。
| 項目 | 浴衣 | 着物(夏物) |
| 着方 | 肌着の上に直接着る(長襦袢なし) | 肌着、長襦袢の上に着る |
| 素材 | 木綿、綿麻、ポリエステルなど | 絽(ろ)、紗(しゃ)、麻など |
| 履物 | 素足に下駄 | 足袋を履いて草履 |
| 主な着用シーン | 夏祭り、花火大会、盆踊りなどカジュアルな場面 | 結婚式、お茶会、観劇などフォーマル・セミフォーマルな場面 |
ただし、最近では浴衣の着こなしも多様化しています。「夏着物風」といって、浴衣の下に長襦袢を着て、足袋と草履を合わせることで、夏のおしゃれ着としてより幅広いシーンで楽しむ着方もあります。ルールに縛られすぎず、自由な発想で楽しめるのも浴衣のいいところですね。
後悔しない!自分にぴったりの浴衣の選び方
いざ浴衣を選ぼうと思っても、色や柄、素材もさまざまで迷ってしまいますよね。ここでは、自分に似合う一枚を見つけるための選び方のポイントを、詳しくご紹介します。
色で選ぶ!肌の色やなりたいイメージで決めよう
浴衣選びで一番印象を左右するのが「色」です。自分の肌の色に合う色を選ぶと、顔色がパッと明るく見えますよ。
肌の色(パーソナルカラー)で選ぶ
パーソナルカラーとは、その人が生まれ持った肌や髪、瞳の色に調和する色のこと。大きく「イエローベース(イエベ)」と「ブルーベース(ブルベ)」に分けられます。自分がどちらのタイプか簡単なセルフチェックをしてみましょう。
- イエローベース(イエベ)さん:手首の内側の血管が緑っぽく見える、日焼けすると黒くなりやすい、ゴールドのアクセサリーが似合う方に多いです。そんなイエベさんには、生成り(きなり)やベージュ、コーラルピンク、オレンジ、黄緑など、黄みがかった温かみのある色がおすすめです。
- ブルーベース(ブルベ)さん:手首の内側の血管が青や紫っぽく見える、日焼けすると赤くなってヒリヒリする、シルバーのアクセサリーが似合う方に多いです。ブルベさんには、真っ白や紺、水色、ラベンダー、ローズピンクなど、青みがかった涼しげな色がよく似合います。
もちろん、これはあくまで一つの目安です。「ブルベだけどオレンジが好き!」という方も、もちろんOK!顔周りから少し離れた帯や小物で好きな色を取り入れるのも素敵な方法です。
なりたいイメージで選ぶ
どんな雰囲気に見せたいか、というイメージから色を選ぶのも楽しいですよ。
- 大人っぽく、粋な雰囲気:紺、黒、白、深緑、紫などの落ち着いた地色の浴衣がおすすめです。キリッとした印象で、凛とした美しさを演出できます。
- 可愛らしく、優しい雰囲気:ピンク、水色、クリーム色、パステルカラーなどの淡い色の浴衣は、ふんわりと柔らかな印象を与えてくれます。女性らしい優しさを表現したい時にぴったりです。
- 元気で、華やかな雰囲気:赤、黄色、オレンジなどのビタミンカラーは、夏の日差しに映え、明るく元気な印象になります。周りもパッと明るくするような存在感が出せます。
柄で選ぶ!伝統的な柄の意味を知るともっと楽しい
浴衣の柄には、一つ一つに意味が込められているものがたくさんあります。柄の意味を知って選ぶと、浴衣への愛着も一層深まりますよ。
代表的な古典柄とその意味
- 朝顔(あさがお):夏の朝に咲くことから、涼やかさの象徴とされています。また、つるがしっかりと絡みつく様子から「固い絆」という意味も。
- 撫子(なでしこ):可憐で可愛らしい花の姿から「優美」「笑顔」といった意味があります。控えめながらも凛とした女性の美しさを表す柄です。
- 菖蒲(しょうぶ):すっと伸びる葉の形から、魔を払う力があると信じられてきました。「必勝」「礼儀正しさ」などの意味も持ちます。
- 蝶(ちょう):さなぎから美しい蝶に姿を変えることから「長寿」や「復活」「変化」の象徴です。また、つがいで飛ぶ姿から「夫婦円満」の意味も。
- 金魚(きんぎょ):金魚は「金運上昇」のシンボル。また、たくさんの卵を産むことから「子孫繁栄」の意味も込められています。涼しげな見た目も夏にぴったり。
- 矢絣(やがすり):射た矢が戻ってこないことから、嫁入りの際に持たせると出戻らない(幸せな結婚が続く)とされる縁起の良い柄です。
- 麻の葉(あさのは):麻は成長が早く、まっすぐ丈夫に育つことから、子どもの健やかな成長を願う柄として古くから親しまれています。魔除けの意味もあります。
- 七宝(しっぽう):同じ大きさの円を四分の一ずつ重ねて繋いだ文様。円(縁)が繋がることから「円満」「調和」「ご縁」などの意味を持つ吉祥文様です。
体型をカバーする柄の選び方
柄の大きさや配置によって、スタイルをすっきり見せることも可能です。
- 背を高く見せたい方:縦のラインを強調するストライプ(縞模様)や、矢絣などの柄がおすすめです。視線が縦に流れるので、すらっとした印象になります。
- ふくよかな体型をカバーしたい方:大きめの柄が全体に散りばめられているものや、濃い地色に柄が入っているものを選ぶと、体のラインが目立ちにくくなります。逆に、小さな柄が密集しているものや、膨張色(淡い色)の無地は避けた方が無難かもしれません。
- 小柄な方:小さめの柄が上品に配置されているものを選ぶと、バランスが取りやすいです。大きな柄だと、柄の印象に負けてしまうことがあるので注意しましょう。
素材で選ぶ!着心地と扱いやすさをチェック
浴衣の着心地やお手入れのしやすさは、素材によって大きく変わります。それぞれの特徴を知って、自分に合ったものを選びましょう。
| 素材 | メリット | デメリット |
| 綿(めん) | 吸湿性・通気性に優れている。肌触りが良い。比較的手頃な価格のものが多い。 | シワになりやすい。乾きにくい。 |
| 綿麻(めんあさ) | 綿の柔らかさと麻のシャリ感を併せ持つ。吸湿性・速乾性が高い。涼しい。 | 綿100%よりはシワになりやすい。価格が少し高めになる傾向。 |
| ポリエステル | シワになりにくい。洗濯機で洗えるものが多く、お手入れが簡単。発色が良い。 | 吸湿性が低く、蒸れやすいと感じる人も。静電気が起きやすい。 |
他にも、「綿絽(めんろ)」や「綿紅梅(めんこうばい)」といった、糸の織り方で生地に隙間を作り、より涼しく着られるように工夫された高級な綿生地もあります。初めての一枚なら、扱いやすくて肌触りの良い綿素材や、涼しさを重視するなら綿麻素材がおすすめです。汗をかきやすい方や、お手入れの手間を省きたい方にはポリエステル素材も良い選択肢になります。
サイズで選ぶ!ここだけは押さえたい3つのポイント
浴衣を美しく着こなすには、サイズ選びがとても重要です。特に「プレタ浴衣」と呼ばれる仕立て上がりの浴衣を買う場合は、以下の3つのサイズを必ずチェックしましょう。
- 身丈(みたけ):浴衣の「丈」の長さです。衿の付け根から裾までの長さを指します。身丈は、自分の身長と同じくらいの長さが目安です。女性の浴衣は「おはしょり」という部分で丈を調整するので、身長±5cm程度なら問題なく着られます。身長160cmの方なら、身丈160cm~165cmくらいのものが理想的です。
- 裄丈(ゆきたけ):背中の中心から袖口までの長さです。腕を斜め45度に下ろした状態で、首の付け根のぐりぐりした骨から、手首のくるぶしが隠れるくらいまでの長さを測ります。裄丈が短いと、つんつるてんな印象になってしまい、長いと野暮ったく見えます。ここはしっかり合わせたいポイントです。
- 繰越(くりこし):衿を後ろに抜いて、うなじを見せるための部分です。ここの抜き加減で、着姿の印象が大きく変わります。プレタ浴衣は一般的に2~3cmほどの繰越がついていますが、衣紋(えもん)をたっぷり抜いて色っぽく着たい方は、繰越が多めのものを選ぶと良いでしょう。
もしサイズ選びに迷ったら、お店の人に相談するのが一番です。自分の身長や腕の長さを伝えれば、ぴったりのものを見立ててくれますよ。
浴衣を着るために必要なものリスト【完全版】
浴衣本体の他にも、美しく着こなすためにはいくつか小物が必要です。「最低限これだけあればOK!」な必須アイテムと、「あるとさらに便利&オシャレ!」なアイテムに分けてご紹介します。
絶対必要!基本のアイテム8選
まずは、これがないと始まらない!という基本的なアイテムです。
- 浴衣:主役ですね。お気に入りの一枚を用意しましょう。
- 帯:浴衣に合わせる帯。半幅帯(はんはばおび)が一般的ですが、兵児帯(へこおび)も可愛らしくて人気です。
- 腰紐(こしひも):浴衣を体に固定するための紐です。着付けの要となる重要なアイテム。最低でも2本、できれば3本あると安心です。モスリン(毛)素材のものが滑りにくく、初心者にも扱いやすいです。
- 伊達締め(だてじめ):腰紐の上から締めて、おはしょりを整え、衿元の着崩れを防ぐための幅広の締め具です。マジックテープ式のものだと、初心者でも簡単に締められます。
- 帯板(おびいた):帯の前部分に入れて、帯にシワが寄るのを防ぎ、見た目を美しくするための板です。これを入れないと、帯がふにゃふにゃになってしまい、だらしない印象に。
- 浴衣用肌着(肌襦袢):汗を吸い取り、浴衣が肌にまとわりつくのを防ぎます。下着が透けるのも防いでくれます。ワンピースタイプの「浴衣スリップ」が便利です。キャミソールとペチコートなどで代用も可能ですが、衿ぐりが大きく開いたものを選びましょう。
- 下駄(げた):浴衣の足元はやっぱり下駄。素足で履くのが基本です。履き慣れないうちは、鼻緒で指の間が痛くなることがあるので、事前に少し履きならしておくか、絆創膏を用意しておくと安心です。
- バッグ(巾着など):浴衣に合わせる小さめのバッグ。竹かごの巾着などが定番で可愛らしいです。
あると超便利!お役立ち&格上げアイテム
必須ではないけれど、あると着付けが楽になったり、着姿がワンランクアップしたりする便利なアイテムたちです。
- コーリンベルト:ゴムのベルトの両端にクリップがついたもの。これを使うと、衿元がはだけにくくなり、着崩れを強力に防いでくれます。特に初心者の方には心強い味方です。
- 補正用タオル:体の凹凸をなくし、寸胴な体型に近づけることで、浴衣にしわが寄りにくくなり、美しく着こなせます。薄手のフェイスタオルを2~3枚用意し、ウエスト周りなどに巻いて使います。
- 帯飾り(おびかざり):帯締めに通したり、帯に挟んだりするアクセサリー。キラキラした飾りや、トンボ玉など、さまざまなデザインがあります。コーディネートのアクセントになります。
- 髪飾り:浴衣姿には、アップスタイルがよく似合います。かんざしや、花のコサージュなどの髪飾りがあると、より華やかな印象になります。
- 扇子(せんす):涼を取るための実用性はもちろん、手に持っているだけで粋な雰囲気を演出できるアイテムです。
初心者でも大丈夫!自分でできる浴衣の着付け講座
さあ、いよいよ浴衣を着てみましょう!最初は難しく感じるかもしれませんが、手順通りにやれば、必ず自分で着られるようになります。鏡の前で、ゆっくり焦らず挑戦してみてくださいね。
着付けを始める前の準備
スムーズに着付けをするために、まずは環境を整えましょう。
- 広い場所を確保する:手足を広げてもぶつからない、畳一畳分くらいのスペースがあると理想的です。
- 全身が映る鏡を用意する:姿見があると、全体のバランスを確認しながら着付けができます。
- 必要なものを全て手の届く場所に並べる:着付けの途中で「あれがない!」と探さなくて済むように、浴衣、帯、小物類を広げて準備しておきましょう。
- 浴衣用肌着を着る:まず、浴衣用の肌着(またはキャミソール等)を身に着けます。この時、後ろの衿ぐりはしっかり下げて、うなじが見えるようにしておきましょう。
- (必要なら)補正をする:ウエストのくびれや、胸とお腹の段差が気になる方は、この段階でタオルを使って補正をします。タオルを腰に巻いたり、胸の下に当てたりして、体のラインをなだらかな筒状に整えます。
浴衣の着付け・基本ステップ
ここからは、写真や動画を見るような気持ちで、一つ一つの動作をイメージしながら読んでみてください。
ステップ1:浴衣を羽織って衿先を合わせる
まず浴衣を羽織り、両袖に腕を通します。背中の中心にある縫い目(背縫い)を、自分の背骨の真ん中に合わせます。次に、両方の衿先を持って、腕を水平に広げ、浴衣をピンと張ります。
ステップ2:裾の長さを決める
衿先を持ったまま、浴衣を体の前に持ってきます。まず、上前(うわまえ/左手で持っている方)を体の右腰あたりに持っていき、裾の長さを決めます。裾のラインが、床にすれすれになるくらい、もしくはくるぶしが隠れるくらいの位置がベストです。長すぎると歩きにくく、短いと子供っぽい印象になります。
ステップ3:下前(したまえ)を入れる
裾の長さが決まったら、上前を一度開きます。次に、下前(右手で持っている方)を体の左側へ巻き込みます。この時、決めた裾の長さがずれないように注意してください。下前の裾は、少し引き上げるようにすると、歩くときにはだけにくくなります。目安は床から7~8cm上くらいです。
ステップ4:上前(うわまえ)を重ねる
下前を入れたら、その上に上前を重ねます。この時も、裾の長さは床すれすれをキープします。「右前(みぎまえ)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは、着物を着る時の基本ルールで、相手から見て左側の身頃が上に来るように着ることを指します。自分から見ると、右側の身頃(下前)を先に体に巻き付け、その上に左側の身頃(上前)を重ねる形です。これを間違えて逆(左前)に着てしまうと、死装束の着方になってしまうので、絶対に間違えないようにしましょう!「自分から見て、左が上!」と覚えてくださいね。
ステップ5:一本目の腰紐を結ぶ
上前を重ねて浴衣の幅が決まったら、いよいよ腰紐の登場です。1本目の腰紐を、腰骨の上あたりにしっかりと巻きます。体の正面で一度ぎゅっと締め、後ろに回して交差させ、また前に持ってきて、体の脇(どちらか一方でOK)で蝶々結びをします。この時、結び目は縦にならないように、横に寝かせるのがポイントです。紐の余った端は、腰紐に挟み込んで処理します。この腰紐が着付けの土台になるので、ゆるまないように、でも苦しくない程度に、しっかりと結びましょう。
ステップ6:おはしょりを作る
腰紐を結ぶと、その上に布がだぶついていますよね。これが「おはしょり」になります。まず、浴衣の身頃にある左右の切れ込み(身八つ口)から、両手を入れます。そして、前と後ろのおはしょりを、手で優しく下に引いて、シワを伸ばし、平らになるよう整えます。おはしょりの長さは、帯の下から5~6cm程度見えるのが美しいとされています。長すぎる場合は、腰紐の下でおはしょりをたくし上げて調整します。おはしょりが綺麗に整うと、一気に着慣れた感じが出ますよ。
ステップ7:衿元を整える
次はお顔周りの印象を決める、衿元です。まず、下前(内側)の衿をおはしょりの内側に斜めに入れ込み、胸元をすっきりさせます。次に、上前の衿を整えます。喉のくぼみが見えるくらいに合わせましょう。そして、一番大事なのが「衣紋(えもん)を抜く」ことです。後ろの衿を下に引いて、うなじを見せるようにします。抜き加減は、こぶし一つ分くらい入るのが目安です。衣紋を抜くと、ぐっと色っぽく、涼しげな印象になります。
ステップ8:二本目の腰紐(またはコーリンベルト)で胸元を固定する
整えた衿元が崩れないように、二本目の腰紐か、コーリンベルトで固定します。
- 腰紐の場合:胸のすぐ下(アンダーバスト)あたりに、一本目の腰紐よりは少しゆるめに巻いて、同じように脇で結びます。
- コーリンベルトの場合:まず、下前の衿にクリップを留めます。ベルトを背中側に回し、もう一方のクリップで上前の衿を留めます。ベルトの長さを調整して、衿元が安定するようにします。
ステップ9:伊達締めで仕上げる
最後に、胸元に巻いた腰紐を隠すように、その上から伊達締めを締めます。これも、あまりきつく締めすぎず、おはしょりのシワをもう一度きれいに整えるような気持ちで巻きます。これで浴衣の着付けは完成です!お疲れ様でした!
帯結びは無限大!初心者におすすめの基本の結び方
浴衣が着られたら、次は帯結びです。帯の結び方で、後ろ姿の印象がガラリと変わります。ここでは、定番で覚えやすい結び方をいくつかご紹介します。
一番人気!可憐な「文庫結び」
リボンのような形が可愛らしい、浴衣の帯結びの代表格です。覚えておくと、どんな浴衣にも合わせやすいですよ。
- 手先(てさき)の長さを決める:帯の端から50~60cmくらいのところを「手先」とします。手先を半分に折り、肩にかけます。
- 胴に帯を巻く:手先以外の長い方(たれ)を、体に2周巻きつけます。この時、帯がゆるまないように、息を吸いながらぎゅっと締めるのがポイントです。
- 手先とたれを結ぶ:2周巻いたら、手先をたれの上から重ねて、ひと結びします。手先が上になるように、しっかりと結びます。
- たれで羽根を作る:たれの先から、リボンの羽根になる部分を作ります。帯の幅に合わせて、内側に折りたたんでいきます。
- 羽根の中央にひだを作る:作った羽根の中央に、山折り、谷折り、山折りと、三つのひだ(三つ山ひだ)を寄せます。
- 手先で羽根を巻く:肩にかけておいた手先を、羽根の中央に上からかぶせるようにして、下から通して巻きつけます。余った手先は、胴に巻いた帯の内側にしまいます。
- 形を整え、後ろに回す:リボンの形をふっくらと整えます。最後に、帯全体を持って、時計回りにゆっくりと背中の中心まで回します。この時、浴衣が着崩れないように、帯の下を持つようにしましょう。
アレンジ自在!ふわふわ可愛い「蝶々結び」
文庫結びよりも、さらにリボンらしいボリューム感が出る結び方です。特に、柔らかい兵児帯(へこおび)で結ぶと、ふわふわになってとってもキュートです。
- 胴に帯を巻く:半幅帯の場合は、文庫結びと同様に体に2周巻きます。兵児帯の場合は、1周でもOKです。
- 蝶々結びをする:あとは、プレゼントのラッピングをする時のように、普通に蝶々結びをするだけです!
- 羽根を整える:結んだ後、左右の羽根の大きさを揃え、ふんわりと広げて形を整えます。羽根を重ねたり、ずらしたりしてアレンジするのも楽しいですよ。
- 後ろに回す:最後に、結び目を背中に回して完成です。
兵児帯は柔らかいので、結びやすく、失敗が少ないのが魅力。着付けに自信がない方や、お子様の浴衣にもおすすめです。
粋で大人っぽい「貝の口」
ぺたんとした結び方で、甘さ控えめ。すっきりと粋な着こなしが好きな方におすすめです。背もたれのある椅子にもたれても、帯が崩れにくいというメリットもあります。
- 手先の長さを決める:文庫結びと同様に、手先の長さを決め、肩にかけておきます。
- 胴に帯を巻く:たれを胴に2周巻きつけます。
- 手先とたれを結ぶ:手先が上になるように、ひと結びします。
- たれを折り上げる:結び目の下にあるたれを、斜めに折り上げます。
- 手先を巻きつける:肩から下ろした手先を、折り上げたたれの上からかぶせ、帯の下から通して巻きつけます。
- 余った手先をしまう:余った手先は、胴に巻いた帯と体の間に差し込みます。
- 後ろに回す:形を整え、背中に回したら完成です。シャープで知的な印象になります。
浴衣美人は所作から。知っておきたい立ち居振る舞い
せっかく綺麗に浴衣を着られたなら、動き方も美しくありたいですよね。普段の洋服の時と同じように動くと、着崩れの原因にもなります。ちょっとしたコツを覚えて、浴衣姿をさらに素敵に見せましょう。
基本の姿勢と歩き方
背筋をすっと伸ばし、顎を少し引くのが基本の姿勢です。猫背にならないように意識するだけで、凛とした印象になります。歩くときは、歩幅をいつもより小さくし、内股を意識してすり足気味に歩くと、裾が乱れず上品に見えます。下駄でカランコロンと音を立てて歩くのも風情がありますが、あまり大きな音を立てすぎないのが大人のマナーです。
座り方
椅子に座るときは、まず椅子の横に立ちます。帯結びを潰さないように、少し浅めに腰掛けるのがポイント。袖が床につかないように、両方の袖を膝の上に重ねておきましょう。背もたれには、もたれかからないのが基本です。畳に座る場合は、まず正座をし、そこから少し体を斜めにずらして座ると、足がしびれにくく、立ち上がる時もスムーズです。
階段の上り下り
階段を上る時は、少しだけ上前(左側)の裾を持ち上げると、裾を踏んでしまうのを防げます。下りる時も同様に、裾を少し持ち上げながら、つま先に体重をかけるようにすると安全です。
車の乗り降り
車に乗るときは、まずお尻からシートに座ります。次に、両足を揃えて車内に引き入れます。降りる時はその逆で、まず両足を揃えて地面につけてから、最後に頭を下げて立ち上がります。こうすると、裾が大きく乱れるのを防げます。
最重要!トイレの行き方
浴衣を着ていて一番心配なのが、トイレではないでしょうか。でも、手順さえ覚えれば大丈夫。焦らず、一枚一枚めくっていきましょう。
- 袖をまとめる:まず、長い袖が汚れないように、帯と伊達締めの間に挟み込むか、大きめの洗濯ばさみなどで帯に留めておくと安心です。
- 裾をめくる:便器の前に立ったら、浴衣の裾を上前、下前の順で、一枚ずつ持ち上げます。
- 肌着をめくる:浴衣をめくり上げたら、次は浴衣用肌着(スリップなど)の裾を持ち上げます。
- 全てをしっかり抱える:めくり上げた浴衣と肌着を、全てまとめて腕でしっかりと抱え込みます。
- ゆっくり座る:抱えた布が落ちないように気をつけながら、ゆっくりと便座に座ります。
用を足した後は、逆の手順で、肌着、浴衣(下前、上前の順)と、一枚ずつ丁寧に戻していきます。最後に、おはしょりや帯周りが乱れていないか、鏡でチェックするのを忘れずに。
来年も綺麗に着るために。浴衣のお手入れと保管方法
お気に入りの浴衣は、きちんとお手入れをして、来年もまた着たいですよね。着用後のお手入れと、正しい保管方法を知っておきましょう。
着たらまずすること
脱いだ浴衣は、すぐにたたんでタンスにしまうのはNGです!汗や湿気がこもったままだと、カビや黄ばみの原因になります。
- 汚れをチェックする:まず、食べこぼしや泥はねなどの汚れがないか、全体をチェックします。もし汚れがあれば、早めに処置することが大切です。
- 汗を乾かす:着物ハンガー(なければ普通のハンガーでもOK)に浴衣をかけ、直射日光の当たらない、風通しの良い場所で半日~1日ほど陰干しします。これで、汗などの湿気を飛ばします。
浴衣の洗濯方法
浴衣が洗濯できるかどうかは、素材や染色方法によって異なります。まずは、浴衣についている洗濯表示を必ず確認しましょう。
自宅で洗える浴衣の場合
綿やポリエステル素材の浴衣は、自宅で洗えるものが多いです。
- 浴衣をたたむ:洗濯機に入れる前に、袖だたみなど、簡単にたたんでおくと、シワや型崩れを防げます。
- 洗濯ネットに入れる:たたんだ浴衣を、大きめの洗濯ネットに入れます。
- おしゃれ着洗剤で洗う:洗剤は、一般的な弱アルカリ性洗剤ではなく、生地へのダメージが少ない中性のおしゃれ着用洗剤を使いましょう。洗濯機の「手洗いコース」や「ドライコース」など、優しく洗えるコースを選びます。
- 脱水は短く:脱水は、長くかけるとシワの原因になります。30秒~1分程度の短い時間で済ませましょう。
干し方
洗い終わったら、すぐに取り出して干します。着物ハンガーにかけるのが理想的ですが、なければ物干し竿に直接通しても大丈夫です。この時、手でパンパンと叩いて、大きなシワを伸ばしておくのがポイント。色あせを防ぐため、必ず陰干ししてください。
アイロンのかけ方
乾いたら、アイロンをかけて仕上げます。アイロンの温度は、洗濯表示に従ってください。必ず当て布をして、テカリを防ぎましょう。縫い目は避け、布の目に沿って優しくかけていきます。
浴衣のたたみ方(本だたみ)
浴衣には、シワになりにくく、コンパクトに収納できる「本だたみ」というたたみ方があります。一度覚えてしまえば簡単ですよ。
- 浴衣を広げ、手前にある脇の縫い目に沿って、下前(右側)の身頃を向こう側へ折りたたみます。
- 同じように、上前(左側)の身頃も、手前の脇の縫い目に沿って折りたたみます。
- 下前側の袖を、身頃の上に折り重ねます。
- 上前側の袖も、身頃と下前の袖の上に折り重ねます。
- 裾の方から、全体の長さが三つ折りか四つ折りになるように、たたんでいけば完成です。
長期保管のポイント
シーズンが終わり、来年まで浴衣をしまう時は、湿気と虫に注意しましょう。
- 保管場所:湿気の少ない、桐のタンスや衣装ケースが最適です。
- たとう紙:浴衣を「たとう紙」と呼ばれる和装用の保管紙に包んでおくと、湿気やホコリから守ってくれます。
- 防虫剤:着物用の防虫剤を、直接浴衣に触れないように、衣装ケースの隅などに入れます。種類の違う防虫剤を一緒に入れると化学反応を起こすことがあるので、一種類に絞りましょう。
まとめ:浴衣はもっと自由で楽しい!
浴衣の基本から選び方、着付け、マナー、お手入れまで、盛りだくさんでお届けしてきましたが、いかがでしたでしょうか。覚えることがたくさんあって大変そう…と感じたかもしれませんが、一番大切なのは「浴衣を着て楽しみたい!」という気持ちです。最初はうまく着られなくても、着崩れてしまっても大丈夫。何度も着ているうちに、だんだんと手際が良くなり、自分なりの着こなし方がわかってきます。花火大会やお祭りだけでなく、夏のランチやカフェ、美術館めぐりなど、普段のお出かけに浴衣を取り入れてみるのも素敵ですよ。この記事が、あなたの浴衣ライフの第一歩を踏み出すきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。さあ、この夏は思い切って、お気に入りの浴衣でお出かけしてみませんか?きっと、いつもとは違う特別な一日が待っていますよ!

