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セーターの教科書|選び方からお手入れまで完全解説

はじめに

寒い季節に欠かせないファッションアイテム、セーター。クローゼットに一枚も無いという方は、おそらくいないのではないでしょうか?暖かくて、着心地が良くて、コーディネートの主役にも脇役にもなれる、まさに冬の万能選手ですよね。

でも、「セーター」と一口に言っても、実はものすごーく奥が深い世界なんです。使われている素材、編み方、ネックラインのデザイン、ゲージ(編み目の密度)の違い…。これらの要素が複雑に絡み合って、一枚一枚のセーターの個性を作り出しています。

「なんとなく暖かそうだから」という理由だけで選んでいませんか?「去年買ったセーター、もう毛玉だらけ…」なんて悲しい経験はありませんか?「いつも同じような着こなしになっちゃう」と悩んでいませんか?

この記事は、そんなセーターに関するあらゆるお悩みを解決し、あなたのセーターライフをより豊かにするためのお手伝いをする、いわば「セーターの教科書」です。特定のブランドや商品をおすすめすることは一切ありません。ただひたすらに、セーターというアイテムそのものの魅力と、賢い選び方、長く愛用するためのお手入れ方法、そしてもっとおしゃれに着こなすためのテクニックを、徹底的に、そして分かりやすく解説していきます。

この記事を読み終わる頃には、あなたも立派な「セーター博士」になっているはず。自分に本当に似合う一枚を見つけ、大切に育て、自信を持って着こなすことができるようになるでしょう。さあ、一緒にセーターの奥深い世界へ旅立ちましょう!

セーターの基本知識

まずは基本の「き」から。そもそもセーターとは何なのか、どんな歴史があるのかを知ることで、より愛着が湧いてくるはずです。

セーターとは?ニットとの違い

よく「セーター」と「ニット」という言葉を耳にしますが、この二つの違い、正確に説明できますか?

実は、「ニット(Knit)」というのは、一本の糸でループ(輪)を作りながら編んで作られた生地や製品全体の総称です。つまり「編み物」全般を指す言葉なんですね。Tシャツやスウェットに使われる「カットソー」が生地を裁断(Cut)して縫製(Sewn)して作られるのに対し、ニットは糸を編んで形作っていきます。

そして「セーター(Sweater)」は、そのニット製品の一種で、主に上半身に着る「かぶり式」または「前開き式(カーディガンなど)」の衣類を指します。語源は英語の「Sweat(汗)」。その名の通り、もともとは汗をかかせるためのスポーツ用ウェアだったという説があります。

まとめると、ニットという大きなカテゴリの中に、セーターがある、という関係性になります。なので、「このセーターはウール素材のニットだね」という言い方は正しいですが、「このニットはセーターだね」というのは、Tシャツや帽子など他のニット製品もあるので、少し言葉足らずかもしれません。まあ、日常会話ではほとんど同じ意味で使われることも多いので、豆知識として頭の片隅に置いておくくらいで大丈夫ですよ。

セーターの歴史

今ではおしゃれなファッションアイテムとして当たり前に着られているセーターですが、そのルーツは意外なところにあります。

セーターの原型と言われているのは、15世紀頃、イギリス海峡に浮かぶガーンジー島やジャージー島で、厳しい寒さや荒波から身を守るために漁師たちが着ていた手編みのウール製仕事着です。彼らの妻や恋人が、無事を祈って一目一目、心を込めて編んだと言われています。撥水性と保温性に優れた未脱脂のウールを使い、家紋のような役割を果たす独特の模様が編み込まれていたそうです。この模様は、万が一海で遭難した際に、個人を特定するための目印でもあったとか。なんだかロマンと少しの切なさを感じますね。

この実用的な仕事着が、ファッションの世界に登場するのは19世紀に入ってからです。スポーツウェアとして注目され、テニスやゴルフ、スキーなどを楽しむ上流階級の人々に愛用されるようになりました。そして、1920年代には、かの有名なファッションデザイナー、ココ・シャネルが、それまで男性のものとされていたセーターを女性のファッションに取り入れ、ジャージー素材のドレスなどを発表したことで、一気に市民権を得ていきます。

その後、映画スターや著名人がスクリーンやプライベートでセーターを着こなす姿が広まり、セーターは機能的な衣類から、自己表現のためのおしゃれなファッションアイテムへと進化を遂げ、現在に至るのです。漁師の仕事着が、時代を超えて世界中の人々に愛されるアイテムになったなんて、なんだか感慨深いですよね。

セーターの素材を知ろう

セーターの着心地、暖かさ、見た目の印象を大きく左右するのが「素材」です。素材の特徴を知ることは、自分にぴったりのセーターを見つけるための最も重要なステップと言っても過言ではありません。ここでは、代表的な素材を「動物繊維」「植物繊維」「化学繊維」の3つに分けて、それぞれのメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。

動物繊維(天然繊維)

動物の毛や、蚕の繭から作られる繊維です。保温性や吸湿性に優れているのが特徴で、特に冬物のセーターに多く使われます。

ウール

セーターの素材と聞いて、まず思い浮かぶのが「ウール」ではないでしょうか。羊の毛を原料とするウールは、セーターの代表格ともいえる素材です。クリンプと呼ばれる繊維の縮れが空気をたくさん含むため、非常に高い保温性を誇ります。また、吸湿性にも優れており、汗をかいても蒸れにくく、快適な着心地を保ってくれます。伸縮性があって動きやすく、シワになりにくいのも嬉しいポイントです。

  • 保温性が高い
  • 吸湿性に優れ、蒸れにくい
  • 伸縮性があり動きやすい
  • シワになりにくい
  • 水を弾く性質がある

ウールには産地や羊の種類によって様々な種類があります。代表的なものに、繊細で柔らかい「メリノウール」や、ハリがあって丈夫な「シェットランドウール」などがあります。

メリット デメリット
暖かい、蒸れにくい、伸縮性がある、型崩れしにくい 縮みやすい、虫食いにあいやすい、人によってはチクチク感じることがある

カシミヤ

「繊維の宝石」とも呼ばれる高級素材、カシミヤ。インドのカシミール地方に生息するカシミヤヤギの、柔らかな産毛(うぶげ)から採れる希少な素材です。その最大の特徴は、驚くほどの軽さと暖かさ、そしてうっとりするような滑らかな肌触りです。繊維が非常に細いため、独特の光沢感としなやかさがあり、上品な印象を与えてくれます。一度着たら手放せなくなる、特別な着心地をぜひ体験してほしい素材です。

  • 軽くて非常に暖かい
  • とろけるように滑らかな肌触り
  • 美しい光沢と上品な風合い
  • 吸湿性・放湿性に優れている
メリット デメリット
とにかく軽くて暖かく、肌触りが最高に良い 非常にデリケートで毛玉ができやすい、価格が高い、お手入れに気を使う

アンゴラ

アンゴラウサギの毛から作られるのがアンゴラです。長くてふわふわとした毛足が特徴で、見た目にも暖かく、フェミニンな雰囲気のセーターによく使われます。非常に軽くて保温性も高いですが、毛が抜けやすいという一面も。他の素材と混紡されて使われることも多い素材です。着ているだけで、優しく可愛らしい印象になりますよ。

  • 毛足が長く、ふわふわとした見た目
  • 非常に軽くて暖かい
  • 柔らかく、優しい肌触り
メリット デメリット
軽くて暖かく、見た目が華やかで可愛い 毛が抜けやすく、他の衣類に付着しやすい、静電気が起きやすい

モヘア

アンゴラヤギの毛から作られるのがモヘアです。アンゴラウサギと名前が似ていますが、全く別の動物です。モヘアの特徴は、シルクのような美しい光沢と、ハリ・コシのある質感です。毛足が長く、ボリューム感がありながらも軽いのが魅力。耐久性にも優れています。独特の光沢が、コーディネートに華やかさをプラスしてくれます。

  • シルクのような美しい光沢
  • ハリとコシがある
  • 通気性が良く、夏は涼しく冬は暖かい
  • 毛玉になりにくい
メリット デメリット
光沢が美しく上品、ハリがあって丈夫、毛玉になりにくい 人によってはチクチク感じることがある、毛が抜けやすいことがある

アルパカ

南米のアンデス山脈に生息するアルパカの毛を使った素材です。滑らかで、カシミヤに似たしっとりとした肌触りが特徴。毛の内側に空洞があるため保温性に優れ、ウールよりも暖かいと言われることも。丈夫で毛玉になりにくく、長く愛用できるのも嬉しいポイントです。天然の色が豊富で、染めずにそのままの色を活かしたセーターも多く見られます。

  • 滑らかでしっとりとした肌触り
  • 保温性に非常に優れている
  • 丈夫で毛玉になりにくい
  • 油分を含み、撥水性がある
メリット デメリット
暖かく、肌触りが良く、丈夫で毛玉になりにくい やや重量感がある場合がある、価格が比較的高め

シルク

蚕(かいこ)の繭からとれる繊維であるシルク。人間の皮膚と同じタンパク質でできているため、肌に優しく、敏感肌の方にもおすすめです。美しい光沢と滑らかな肌触りが魅力で、吸湿性・放湿性・保温性に優れています。夏は涼しく冬は暖かいので、一年を通して活躍する素材です。主に他の繊維と混紡され、上品な光沢や滑らかさをプラスする役割を担います。

  • 上品で美しい光沢
  • 滑らかで心地よい肌触り
  • 吸湿性・放湿性に優れ、蒸れにくい
  • 夏は涼しく、冬は暖かい
メリット デメリット
肌に優しく、着心地が良い、上品な風合い 摩擦や水に弱い、紫外線で変色しやすい、価格が高い

植物繊維(天然繊維)

綿や麻など、植物から作られる繊維です。肌触りが良く、吸水性に優れているのが特徴。主に春夏向けのセーターや、通年で着られるアイテムに使われます。

コットン

綿花から採れるコットンは、Tシャツや肌着など、私たちにとって最も身近な繊維かもしれません。セーターの素材としても非常に優秀で、優しい肌触りと優れた吸水性・通気性が特徴です。化学繊維に比べて静電気が起きにくく、肌への刺激が少ないのも嬉しいポイント。ウールのようなチクチク感が苦手な方には特におすすめです。また、家庭で洗濯しやすいものが多く、お手入れが簡単なのも魅力。春・秋・冬と、ほぼ一年中活躍してくれる頼もしい素材です。

  • 柔らかく、優しい肌触り
  • 吸水性・通気性に優れている
  • 静電気が起きにくい
  • 家庭で洗濯しやすい
メリット デメリット
肌触りが良く、チクチクしない、お手入れが簡単、通年使える 乾きにくい、シワになりやすい、ウールなどに比べると保温性は劣る

リネン

亜麻(あま)という植物から作られるリネンは、主に春夏向けの素材として知られています。シャリ感のある独特の風合いと、高い吸水性・速乾性が特徴で、汗をかいても肌に張り付きにくく、サラッとした着心地を保ちます。「夏にセーター?」と思うかもしれませんが、リネン素材のサマーセーターは、日差しよけや冷房対策にぴったりなんです。使い込むほどに柔らかく、風合いが増していくのもリネンの魅力です。

  • 清涼感のあるシャリっとした肌触り
  • 吸水性・速乾性に非常に優れている
  • 丈夫で長持ちする
  • 汚れが落ちやすい
メリット デメリット
涼しくて快適、丈夫、使い込むほど味が出る シワになりやすい、伸縮性に乏しい

化学繊維

石油などを原料に、人工的に作られた繊維です。天然繊維の風合いを再現したり、機能性を高めたりする目的で使われます。他の繊維と混紡されることも多いです。

アクリル

アクリルは、化学繊維の中でも特にウールに近い性質を持つ素材です。ふっくらと柔らかく、保温性にも優れているため、ウールの代替品としてよく使われます。発色が良いので、鮮やかな色のセーターによく採用されます。また、軽くて丈夫で、薬品や虫に強いのも特徴。そして何より、比較的安価で手に入りやすいのが大きな魅力です。

  • 軽くて柔らかく、暖かい
  • 発色が良い
  • シワになりにくく、型崩れしにくい
  • 虫やカビの害を受けにくい
メリット デメリット
安価、軽い、発色が良い、お手入れが比較的楽 吸湿性が低く蒸れやすい、静電気が起きやすい、毛玉ができやすい

ポリエステル

現在、最も多く生産されている化学繊維がポリエステルです。非常に耐久性が高く、シワになりにくく、速乾性に優れているのが最大の特徴。型崩れしにくいので、プリーツ加工などにも使われます。セーターにおいては、主にコットンやウールなどと混紡され、強度を増したり、シワを防いだり、乾きやすくしたりする役割を果たします。スポーツウェアにも多用される機能的な素材です。

  • 非常に丈夫で耐久性が高い
  • シワになりにくい
  • 速乾性に優れている
  • 熱に強い
メリット デメリット
丈夫、シワになりにくい、乾きやすい 吸湿性が低く蒸れやすい、静電気が起きやすい、汚れを吸着しやすい

ナイロン

ナイロンは、ポリエステルと並んでよく使われる化学繊維です。特に摩擦に強く、伸縮性に優れているのが特徴。こちらもウールやコットンなどと混紡されることが多く、生地の強度を高めたり、伸縮性を加えたりする目的で使われます。例えば、靴下のかかとやつま先部分がナイロンで補強されていることが多いですよね。セーターでも、型崩れしやすい部分に使われることがあります。

  • 摩擦に非常に強い
  • 伸縮性に優れている
  • 軽い
  • 薬品や油、カビに強い
メリット デメリット
丈夫で長持ちする、伸縮性がある 吸湿性が低い、熱に弱い、日光で黄変しやすい

レーヨン

レーヨンは、木材パルプを原料とする再生繊維で、化学繊維に分類されますが、元は天然素材です。シルクのような光沢と、とろみのある滑らかな肌触りが特徴で、ドレープ性(生地がしなやかに揺れる性質)に優れています。吸湿性・吸水性も高く、着心地が良い素材です。ただし、水に濡れると強度が落ちて縮みやすいという性質があるため、お手入れには注意が必要です。

  • シルクのような光沢と滑らかさ
  • ドレープ性が美しい
  • 吸湿性・吸水性に優れている
  • 発色が良い
メリット デメリット
肌触りが良く、上品な風合い 水に弱く、濡れると縮んだりシワになったりしやすい、摩擦に弱い

混紡素材

ここまで様々な素材を見てきましたが、実際のセーターは、これらの素材を2種類以上組み合わせて作られた「混紡(こんぼう)」素材のものも非常に多いです。

なぜ混紡するのかというと、それはそれぞれの素材の「良いとこ取り」をするためです。例えば、ウールにアクリルを混ぜることで、暖かさを保ちつつ価格を抑え、軽さを出すことができます。コットンにポリエステルを混ぜれば、肌触りの良さはそのままに、シワになりにくく乾きやすい、より機能的なセーターになります。

洗濯表示のタグを見て、「毛 70%、アクリル 30%」とか「綿 60%、ポリエステル 40%」といった表示を見たことがあるはずです。この割合によって、セーターの風合いや機能性が大きく変わってきます。素材の知識があれば、この表示を見るだけで「ああ、このセーターは暖かくて、ちょっと軽い感じかな」とか、「肌触りが良くて、洗濯も楽そうだな」といったことが想像できるようになります。ぜひ、お店でセーターを手に取ったら、タグの素材表示をチェックしてみてくださいね。

セーターの編み方とゲージ

セーターの表情を豊かにしているのは、素材だけではありません。「編み方」「ゲージ」も、見た目の印象や着心地を左右する大切な要素です。ちょっと専門的に聞こえるかもしれませんが、知っておくとセーター選びがもっと楽しくなりますよ。

編み方の種類

セーターには実に様々な編み方があります。ここでは、代表的な編み方をいくつかご紹介します。編み地の名前を知っていると、「このケーブル編みが可愛い!」なんて、具体的な好みを伝えやすくなります。

天竺編み(平編み)

天竺(てんじく)編みは、ニットの最もベーシックな編み方で、別名「メリヤス編み」や「平編み」とも呼ばれます。Tシャツなどにも使われる、非常になじみ深い編み地です。表面はV字模様、裏面は半円状の模様になっているのが特徴。薄手で軽く、横方向への伸縮性に富んでいます。シンプルでクセがないので、どんなデザインにも合わせやすい万能な編み方です。

リブ編み(ゴム編み)

リブ編みは、表編みと裏編みを交互に繰り返すことで、畝(うね)のような凹凸ができる編み方です。別名「ゴム編み」とも呼ばれる通り、非常に高い伸縮性が特徴。この特性を活かして、セーターの袖口や裾、タートルネックの首部分など、体にフィットさせたい部分によく使われます。もちろん、セーター全体がリブ編みになっているものもあり、体のラインをきれいに見せてくれる効果も期待できます。

ガーター編み

ガーター編みは、表編みだけ(または裏編みだけ)を繰り返す、とてもシンプルな編み方です。編み地が横方向に伸びにくく、縦方向に伸縮性があるのが特徴。ふっくらとした厚みと、凹凸感のある素朴な表情が魅力です。手編みのような温かみのある風合いで、カジュアルな雰囲気のセーターによく見られます。

ケーブル編み(縄編み)

ケーブル編みは、その名の通り、縄(ケーブル)のような模様が立体的に浮かび上がる編み方です。別名「縄編み」や「アラン模様」とも呼ばれます。これは、編み目の順序を交差させることで作られる、非常に装飾性の高い編み方です。元々はアイルランドのアラン諸島の漁師たちが着ていたセーター(フィッシャーマンセーター)に使われていた伝統的な模様で、模様それぞれに安全や豊漁を願う意味が込められていたと言われています。クラシックで存在感があり、一枚でコーディネートの主役になる編み方です。

フィッシャーマンズリブ

リブ編みの一種ですが、より厚手で、ボリューム感のあるのがフィッシャーマンズリブです。こちらも名前の通り、漁師のセーターに使われていたことから名付けられました。ざっくりとした見た目と優れた保温性が特徴で、見た目にも暖かな印象を与えてくれます。ボリュームがある分、着こなしのアクセントになります。

ワッフル編み

お菓子のワッフルのように、格子状の凹凸がある編み方がワッフル編みです。この凹凸が空気の層を作り、保温性を高めてくれます。また、肌に触れる面積が少ないため、サラッとした着心地も特徴です。サーマル編みとも呼ばれ、カットソーなどでもおなじみですね。シンプルながら表情があり、カジュアルなスタイルによく合います。

ミラノリブ

ミラノリブは、リブ編みと平編みを組み合わせたような、非常にしっかりとした編み地です。伸縮性が少なく、型崩れしにくいのが最大の特徴。ニット特有の「ゆるさ」が少なく、布帛(ふはく・織物)のようなきちんと感があります。そのため、ジャケットやきれいめのプルオーバーなど、かっちりとしたシルエットを出したいアイテムによく使われます。上品で洗練された印象を与えたい時にぴったりの編み方です。

ゲージとは?

セーターを見ていると、「ハイゲージ」とか「ローゲージ」という言葉を聞くことがありますよね。この「ゲージ」とは、簡単に言うと「編み目の密度」のことです。一定の長さ(通常は1インチ=約2.54cm)あたりに、何本の編み針が入っているかを示す単位で、この数字が大きいほど編み目が細かくなります。

ゲージの違いによって、セーターの見た目の印象や風合いが大きく変わります。

ハイゲージ

編み目が細かく、密に編まれたニットのことです。薄手で滑らかな表面感が特徴で、まるでカットソーのような感覚で着ることができます。編み目が目立たないので、上品でクリーン、きれいめな印象を与えます。ジャケットのインナーにしたり、オフィススタイルに取り入れたりと、きちんと感が求められるシーンで大活躍。肌触りも滑らかなものが多く、着心地が良いのも魅力です。

ミドルゲージ

ハイゲージとローゲージの中間の密度で編まれたニットです。程よい厚みと編み地の表情があり、最も一般的で着回しやすいタイプと言えるでしょう。きれいめにもカジュアルにも振れる、まさに万能選手。一枚で着ても様になり、重ね着もしやすいので、ワードローブに一枚あると非常に重宝します。

ローゲージ

編み目が粗く、ざっくりと編まれたニットのことです。糸が太く、編み目自体がデザインの一部になるような、存在感のある見た目が特徴。手編みのような温かみと、リラックスしたカジュアルな雰囲気を演出します。厚手でボリューム感があるので、コーディネートの主役になります。真冬の防寒着としても頼りになる存在です。

セーターのデザインとネックライン

素材と編み方でセーターの土台が決まったら、次に見るべきは「デザイン」です。特に顔まわりの印象を大きく左右する「ネックライン」は、自分に似合うかどうかを判断する上で非常に重要なポイント。ここでは、定番のネックラインや袖のデザインをご紹介します。

ネックラインの種類

ほんの少しのネックラインの違いで、すっきり見えたり、優しく見えたり、印象はガラリと変わります。自分の顔の形や首の長さ、なりたいイメージに合わせて選んでみましょう。

クルーネック

クルーネックは、最もベーシックで定番の丸首デザインです。Tシャツなどでもおなじみの形で、誰にでも似合いやすく、カジュアルで親しみやすい印象を与えます。首の詰まり具合によって印象が変わり、詰まっているとよりカジュアルでマニッシュな雰囲気に、少し開きがあると女性らしい雰囲気になります。インナーにシャツを合わせたり、ネックレスを合わせたりと、重ね着やアクセサリーが楽しめるのも魅力です。

Vネック

その名の通り、首元がV字に開いたデザインです。鎖骨がきれいに見え、顔まわりや首筋をすっきりとシャープに見せてくれる効果が期待できます。丸顔さんや、首を長く見せたい方におすすめ。Vの開きの深さによって印象が変わり、浅いと上品で知的な雰囲気に、深いとより女性らしくセクシーな雰囲気になります。オフィススタイルから休日カジュアルまで、幅広く活躍するネックラインです。

タートルネック

首に沿って、襟が長く筒状に伸びたデザインです。首元を完全に覆うため、非常に暖かく、真冬には欠かせない存在。首を折り返して着るのが一般的です。上品でクラシカルな印象を与え、縦のラインを強調してくれるので、小顔効果も期待できると言われています。ジャケットやコートのインナーとしても収まりが良く、防寒とおしゃれを両立できる優れものです。

ハイネック/モックネック

タートルネックと似ていますが、襟の高さがタートルネックよりも低く、折り返さずに着るのがハイネックモックネックです。「モック」は「見せかけの、偽の」という意味で、「モックタートルネック」の略。タートルネックほどのボリュームは欲しくないけれど、首元がスースーするのは避けたい、という方にぴったり。タートルネックの窮屈感が苦手な方にもおすすめです。上品さはそのままに、よりすっきりとした印象で着こなせます。

ボートネック

鎖骨のラインに沿って、横に広く浅く開いた舟底(ボート)のような形のネックラインです。フランスの船乗りたちが着ていたシャツがルーツと言われています。首元はあまり露出しませんが、左右に開いていることでデコルテラインをきれいに見せ、上品で洗練されたフレンチシックな雰囲気を演出します。顔の形を選ばず、誰にでも似合いやすいのも特徴です。

ヘンリーネック

丸首の中央に、短い前立てと2〜3個のボタンが付いたデザインです。元々はイギリスのヘンリー・オン・テムズで行われるボートレースの選手たちのユニフォームが由来。ボタンを開け閉めすることで、着こなしに変化をつけられるのが魅力です。ボタンを留めればクルーネックのように、開ければラフで抜け感のあるスタイルになります。一枚で着ても下着っぽく見えず、こなれた印象を与えてくれます。

キーネック

首元に、鍵穴(Keyhole)のような切り込み(スリット)が入ったデザインです。Vネックほど大胆な開きではないけれど、クルーネックよりも抜け感が出せる、いいとこ取りのネックライン。さりげない肌見せが、顔まわりにすっきりとした印象と女性らしいニュアンスを加えてくれます。アクセサリーなしでも首元が寂しくならず、おしゃれに見えるのが嬉しいポイントです。

袖のデザイン

見落としがちですが、袖の付け方や形もセーターの印象や着心地を左右します。

セットインスリーブ

「普通袖」とも呼ばれる、最も基本的な袖の付け方です。身頃の肩のラインから、垂直に袖が付けられています。ジャケットやシャツなど、ほとんどの洋服で採用されている形で、きちんとした印象を与えます。肩のラインがはっきりするため、ジャストサイズで着るときれいに見えます。

ラグランスリーブ

襟ぐりから袖下にかけて、斜めの切り替え線が入っている袖のことです。野球のユニフォームなどでよく見られる形ですね。肩と袖が一体化しているため、肩まわりが動かしやすく、非常に楽な着心地です。肩のラインがはっきりしないので、いかり肩やなで肩など、肩幅が気になる方でも体型をカバーしやすいと言われています。リラックス感のある、カジュアルな雰囲気を演出します。

ドルマンスリーブ

袖ぐりが深く、袖口に向かって細くなっているデザインの袖です。身頃と袖が一体化したようなゆったりとしたシルエットが特徴で、まるでコウモリが羽を広げたような形に見えることから、こう呼ばれます。体型を拾わず、リラックスした着心地で、気になる二の腕などをカバーしてくれる効果も。優雅で女性らしいドレープが生まれます。

パフスリーブ

肩先や袖口にギャザーやタックを入れて、ふんわりと膨らませた袖のことです。フェミニンで可愛らしい印象を与え、コーディネートのアクセントになります。ボリュームのあるデザインなので、気になる腕のラインをカバーしつつ、華やかさをプラスしてくれます。甘くなりすぎないように、シンプルなボトムスと合わせるのがおすすめです。

その他のデザイン

セーターの仲間には、こんなデザインもあります。

カーディガン

ご存知、前開きタイプのセーターです。ボタンやジッパーで前を留めることができます。脱ぎ着がしやすいため、体温調節に非常に便利なアイテム。羽織りものとしてだけでなく、ボタンを全部留めてプルオーバーのように着ることもできます。一枚あると、コーディネートの幅がぐっと広がります。

ベスト/ジレ

袖のないセーターのことです。シャツやカットソー、ワンピースなどの上に重ねるだけで、いつものコーディネートに奥行きが出て、おしゃれ度がアップします。季節の変わり目の体温調節にも役立ちますし、縦のラインを強調してすっきり見せる効果も期待できます。フランス語では「ジレ」と呼ばれ、よりおしゃれな響きになりますね。

チュニック

腰やお尻がすっぽりと隠れるくらいの、長めの丈のセーターです。気になる腰まわりやヒップラインを自然にカバーしてくれる、体型カバーの強い味方。細身のパンツやレギンスと合わせるだけで、バランスの良いコーディネートが完成します。リラックス感がありながら、女性らしい柔らかな雰囲気を演出できます。

セーターの選び方 – シーンと体型別ガイド

これまでに学んだ「素材」「編み方」「デザイン」の知識を総動員して、いよいよ実践的な選び方を見ていきましょう。どんな時にどんなセーターを着るか、そして自分の体型をより素敵に見せるためのヒントをご紹介します。

シーン別選び方

TPOに合わせたセーター選びができると、一気におしゃれ上級者の仲間入りです。

オフィス・きれいめスタイル

オフィスや少し改まった場では、清潔感と上品さがキーワードになります。おすすめは、編み目が細かいハイゲージのセーター。滑らかな表面感が、きちんとした印象を与えてくれます。素材は、光沢のあるメリノウールや、カシミヤ混などが上品です。形は体に程よくフィットするジャストサイズを選び、色はブラック、ネイビー、グレー、ベージュなどのベーシックカラーを基調にすると間違いありません。ネックラインは、ジャケットのインナーにしやすいクルーネックやVネック、ハイネックが使いやすいでしょう。

カジュアル・リラックススタイル

休日のお出かけや、お家でのリラックスタイムには、着ていて心地良いことが一番。編み目がざっくりとしたローゲージのセーターや、少しゆとりのあるオーバーサイズのものが気分です。素材は、肌触りの良いコットンや、温かみのあるシェットランドウールなどが雰囲気。色や柄で遊べるのもカジュアルスタイルの醍醐味。普段は選ばないような明るいカラーや、ケーブル編み、フェアアイル柄などのデザイン性の高いものに挑戦してみるのも楽しいですよ。ラグランスリーブやドルマンスリーブなら、動きやすくてさらにリラックスできます。

デート・特別な日

いつもより少しだけ特別感を演出したい日には、素材の質にこだわってみましょう。やはりカシミヤや、シルク混、アンゴラ混などのセーターは、見た目にも手触りにも上質感が漂い、着ているだけで気分が上がります。柔らかく女性らしい雰囲気を引き立ててくれるでしょう。デザインは、デコルテをきれいに見せるボートネックやキーネック、華やかなパフスリーブなども素敵です。色は、柔らかな印象のアイボリーやパステルカラーを選ぶと、優しげな雰囲気を演出できます。

体型別選び方のヒント

自分の体型を客観的に知って、それを活かしたりカバーしたりするセーターを選ぶと、スタイルがぐっと良く見えます。これはあくまで一般的なヒントなので、色々試して自分だけの「似合う」を見つけるのが一番です!

低身長さん

目線を上に集めることを意識すると、バランス良く見えます。着丈が長すぎないコンパクトな丈感のセーターがおすすめ。ショート丈なら、脚長効果も期待できます。ネックラインは、首元がすっきり開くVネックキーネックで、縦のラインを強調しましょう。オーバーサイズを着たい場合は、だらしなく見えないよう、手首や足首を見せたり、ベルトでウエストマークしたりと、どこかに「すっきりポイント」を作るのがコツです。

高身長さん

高身長さんは、多くのデザインを着こなせるのが強みです。特に、ざっくりとしたローゲージのオーバーサイズセーターや、ロング丈のチュニックなども、バランスを気にせずおしゃれに着こなせます。ボートネックでデコルテをきれいに見せたり、大胆な柄物を選んだりして、長所を活かしたコーディネートを楽しんでみてください。

がっちり体型さん

上半身をすっきりと見せることがポイントです。ネックラインは、VネックキーネックUネックなど、首元に抜け感を作れるものがおすすめ。色は、引き締め効果のあるダークカラー(黒、ネイビー、チャコールグレーなど)を選ぶと、スマートな印象になります。素材は、着膨れしにくいハイゲージやミドルゲージを選び、体に程よく沿うサイズ感のものを選ぶと良いでしょう。ラグランスリーブも肩まわりを華奢に見せてくれる効果が期待できます。

華奢な体型さん

少しボリュームをプラスして、華やかな印象に見せるのがおすすめです。ローゲージのざっくりニットや、立体的なケーブル編み、ふわふわとしたモヘアアンゴラ素材のセーターがぴったり。パフスリーブなど袖にデザインがあるものや、明るい膨張色(白、アイボリー、パステルカラーなど)も、華奢な体型をカバーしてくれます。オーバーサイズを選ぶと「着られている感」が出やすいので、ジャストサイズか、少しゆとりのあるくらいがバランスを取りやすいです。

首が短いのが気になる方

首が詰まって見えるタートルネックや、詰まり気味のクルーネックは避けた方が無難かもしれません。VネックキーネックボートネックUネックなど、首元がしっかりと開くデザインを選んで、肌を見せる面積を増やすと、首が長くすっきりと見えます。

肩幅が気になる方

肩のラインを強調するセットインスリーブよりも、肩の切り替えがないラグランスリーブドルマンスリーブがおすすめです。肩のラインを曖昧にして、自然にカバーしてくれます。また、視線を中央に集めるVネックも効果的です。肩パッドが入っているように見えるような、角張ったデザインは避けましょう。

セーターのお手入れ方法

お気に入りのセーターを見つけたら、できるだけ長く、きれいな状態で着たいですよね。セーターはデリケートなアイテムですが、正しいお手入れ方法を知っていれば、何年も愛用することができます。ここでは、洗濯から保管まで、セーターを長持ちさせるための秘訣を伝授します。

洗濯表示の確認

お手入れの第一歩は、何と言っても洗濯表示タグの確認です。ここに、そのセーターにとって最適なお手入れ方法がすべて書かれています。自己流で洗ってしまう前に、必ずチェックする癖をつけましょう。「家庭で洗濯できるか」「洗濯機か手洗いか」「水温は何度までか」「漂白剤は使えるか」「乾燥機の使用はOKか」「アイロンのかけ方は」など、重要な情報が記号で示されています。

記号の例 意味
桶に水が入っているマーク 家庭での洗濯が可能であることを示します。桶の中の数字は水温の上限です。
桶に×がついているマーク 家庭での洗濯はできません。クリーニングに出しましょう。
桶に手が入っているマーク 手洗いを推奨します。洗濯機は使えません。
四角に横線が入っているマーク 平干しを推奨します。セーターでよく見かける表示です。
PやFの丸いマーク ドライクリーニングの種類を示します。この表示があればクリーニング店にお任せできます。

家庭での洗濯方法(手洗い)

「手洗い」と聞くと面倒に感じるかもしれませんが、慣れれば簡単です。大切なセーターを優しく洗うには、手洗いが最もおすすめです。

準備するもの

  • おしゃれ着用中性洗剤(エマール、アクロンなど)
  • 洗面器や洗い桶
  • 大きめのバスタオル
  • 洗濯ネット(脱水時に使用)

洗い方の手順

  1. 洗面器に、洗濯表示に示された温度以下のぬるま湯(または水)を張り、おしゃれ着用中性洗剤を規定量溶かします。
  2. セーターを裏返し、きれいに畳んで洗剤液に浸します。
  3. 「ゴシゴシ」は厳禁!手のひらで優しく「沈める・浮かせる」を繰り返す「押し洗い」を20〜30回ほど行います。特に汚れが気になる袖口などは、軽くつまむように洗います。
  4. 洗い終わったら、セーターを軽く押して水分を切り、きれいな水に入れ替えてすすぎます。押し洗いと同じ要領で、洗剤の泡が出なくなるまで2〜3回繰り返します。柔軟剤を使う場合は、最後のすすぎの際に加えます。
  5. すすぎが終わったら、洗濯機で脱水します。セーターを畳んで洗濯ネットに入れ、洗濯機の「弱脱水」や「手洗いコースの脱水」で、30秒〜1分程度ごく短時間だけかけます。長くかけるとシワや型崩れの原因になるので注意してください。

洗濯機で洗う場合

洗濯表示で「洗濯機洗い可」となっている場合は、洗濯機でも洗えます。ただし、ポイントを押さえないとダメージの原因になるので注意しましょう。

手順と注意点

  1. セーターを裏返して、汚れが気になる部分が表側になるように畳み、必ず洗濯ネットに入れます。ネットの大きさに合わせて畳むのがポイントです。
  2. 洗剤は、おしゃれ着用の中性洗剤を使用します。
  3. 洗濯機のコースは、「手洗いコース」「ドライコース」「おうちクリーニングコース」など、弱水流で洗えるコースを選びます。
  4. 脱水時間は、手洗いの場合と同様に、1分以内のできるだけ短い時間に設定するか、コースにお任せします。
  5. 他の洗濯物と一緒に洗うと、摩擦の原因になるので、セーターだけで洗うのが理想です。

干し方

洗い方と同じくらい、いや、それ以上に重要なのが「干し方」です。濡れたセーターは水の重みで非常に伸びやすくなっています。間違った干し方をすると、一発で型崩れして悲しい結果に…。

平干しが基本

セーターの干し方の基本は、「平干し」です。これは、平らな場所に広げて干す方法です。お風呂の蓋の上や、床にバスタオルを敷いた上に広げましょう。風通しを良くするために、「平干しネット」という専用のアイテムを使うのが最もおすすめです。100円ショップやホームセンターなどで手軽に購入できます。2段、3段になっているものもあり、省スペースで干せるので便利ですよ。干す際は、手で優しく形を整えてから広げてください。

ハンガーにかける場合の注意点

どうしても平干しするスペースがない場合は、ハンガーにかける方法もありますが、工夫が必要です。普通のハンガーにそのままかけると、肩の部分に水の重みが集中し、伸びたりハンガーの跡がついたりしてしまいます。かける場合は、厚みのあるハンガーを選び、袖が垂れ下がらないように、袖を肩にかけたり、もう一本のハンガーにかけたりするなどの工夫をしましょう。また、ハンガーを2本使って、セーターを二つ折りにしてかける「さお干し」のような形も、重さを分散できておすすめです。

毛玉のケア

セーターを着ていると避けられないのが「毛玉」の発生。毛玉があると、どんなに素敵なセーターも古びて見えてしまいます。正しいケアで、きれいな状態を保ちましょう。

毛玉ができる原因

毛玉は、着用中の摩擦によって繊維が絡み合い、玉状になることで発生します。特に、脇の下や袖の内側、バッグが当たる部分など、擦れやすい場所にできやすいです。アクリルなどの化学繊維や、カシミヤなどの柔らかい獣毛は、特に毛玉ができやすい傾向があります。

毛玉の取り方

  • 毛玉取り器:電動や手動のものがあります。広範囲の毛玉を効率的に取ることができますが、強く当てすぎると生地を傷めてしまう可能性があるので、優しく滑らせるように使いましょう。
  • T字カミソリ:意外な方法ですが、新品のT字カミソリを毛玉ができた部分に優しく滑らせると、きれいに取ることができます。ただし、これも生地を傷つけやすいので、自己責任で、細心の注意を払って行ってください。
  • ハサミ:できてしまった毛玉を、一つ一つハサミでカットする方法です。時間はかかりますが、生地へのダメージが最も少ない方法です。絶対に毛玉を引っ張って取ろうとしないでください。周りの繊維まで引き出してしまい、新たな毛玉の原因になります。

毛玉の予防法

  • 連続着用を避ける:お気に入りのセーターでも、毎日着るのは禁物です。一日着たら、1〜2日休ませて、繊維を落ち着かせてあげましょう。
  • ブラッシングする:着用後に、洋服用のブラシ(馬毛などの柔らかいものがおすすめ)で、繊維の流れを整えるように優しくブラッシングすると、毛玉の発生をかなり抑えることができます。

保管方法

シーズン中、そして衣替えの際の保管方法も、セーターの寿命を左右します。

シーズン中の保管

セーターをハンガーにかけて保管すると、自らの重みで肩の部分が伸びてしまったり、ハンガーの跡がついてしまったりします。シーズン中の普段の保管は、畳んで棚や引き出しに収納するのが基本です。ふんわりと畳み、あまりぎゅうぎゅうに詰め込まないようにしましょう。

衣替え(長期保管)

次のシーズンまで着ないセーターをしまう前には、必ず洗濯(またはクリーニング)をしましょう。一見きれいに見えても、皮脂や汗の汚れが残っていると、黄ばみや虫食いの原因になります。洗濯後は、完全に乾かしてから収納します。保管する際は、防虫剤除湿剤を一緒に入れるのを忘れずに。防虫剤は、ガスが上から下に広がるタイプが多いので、衣類の上に置くのが効果的です。

虫食い対策

ウールやカシミヤなどの動物繊維は、ヒメマルカツオブシムシなどの衣類害虫の大好物です。虫食いの穴が開いてしまったら、もう元には戻せません。そうなる前に、しっかりと対策しましょう。前述の通り、「しまう前に汚れを落とす」「防虫剤を入れる」ことが二大原則です。また、虫は湿気を好むので、クローゼットや引き出しは定期的に換気して、風通しを良くすることも大切です。

シワになってしまったら

畳んで保管していると、どうしても畳みジワがついてしまうことがあります。そんな時は、スチームアイロンの蒸気を当てるのが効果的です。アイロンをセーターから1〜2cm浮かせて、たっぷりとスチームを当てましょう。繊維が水分を含むことで、自然とシワが伸びます。絶対にアイロンを直接生地に押し付けないでください。編み目が潰れてテカテカになったり、風合いが損なわれたりする原因になります。

縮んでしまった時の対処法(応急処置)

「うっかりウールのセーターを乾燥機にかけてしまった…!」なんて大惨事、考えたくもありませんが、万が一縮んでしまった場合に試せる応急処置があります。それは、髪の毛用のヘアトリートメント(リンスやコンディショナーでも可)を使う方法です。洗面器のぬるま湯にトリートメントを溶かし、縮んだセーターを浸して優しく伸ばし、軽くすすいでから平干しします。トリートメントに含まれる成分が、絡まった繊維をほぐしてくれる効果が期待できる、と言われています。ただし、これはあくまで最終手段であり、元通りになる保証はありません。素材によっては効果がない場合や、逆に生地を傷める可能性もあるので、試す際は自己責任でお願いします。

セーターの着こなし・コーディネート術

せっかくお気に入りのセーターを手に入れたなら、もっとおしゃれに着こなしたいですよね。ここでは、いつものセータースタイルをワンランクアップさせる、簡単な着こなしのコツをご紹介します。マンネリ気味だったコーディネートも、少しの工夫で新鮮に見えますよ。

レイヤード(重ね着)テクニック

セーターの着こなしの楽しさは、重ね着にあると言っても過言ではありません。何かを一枚プラスするだけで、奥行きとこなれ感が生まれます。

シャツ・ブラウスとの重ね着

これは王道のテクニックですね。クルーネックやVネックのセーターの下に、シャツやブラウスを重ねるスタイルです。ポイントは「チラ見せ」。セーターの首元から襟をのぞかせたり、袖口からカフスを少し出したり、裾からシャツの裾を出すだけで、一気におしゃれな印象になります。白シャツならクリーンで知的な印象に、ストライプやチェック柄ならカジュアルなアクセントになります。フリルやボウタイ付きのブラウスを合わせれば、華やかなスタイルも作れます。

Tシャツ・カットソーとの重ね着

シャツほどかっちりさせたくない場合は、Tシャツやカットソーとの重ね着がおすすめです。こちらも首元や裾から、インナーのTシャツを少しだけのぞかせるのがポイント。特に、白いクルーネックTシャツは万能で、どんな色のセーターとも相性が良く、コーディネートに抜け感と清潔感をプラスしてくれます。セーターと肌の間に一枚挟むことで、汗を吸ってくれたり、ウールのチクチク感を軽減してくれたりする実用的なメリットもあります。

ワンピースとの重ね着

セーターはワンピースとの相性も抜群です。シンプルなシャツワンピースやキャミソールワンピースの上に、ざっくりとしたセーターを上から重ねると、スカートのように見えて新鮮なコーディネートになります。逆に、薄手のタートルネックセーターを、ジャンパースカートやキャミワンピースのインナーとして着るのも定番の可愛いスタイル。着こなしの幅がぐっと広がります。

小物使いで差をつける

シンプルなセーターの日は、小物使いが腕の見せ所。小物をプラスするだけで、ぐっと華やかになったり、雰囲気を変えたりすることができます。

アクセサリー

顔まわりに一番近いアクセサリーは、印象を大きく左右します。例えば、シンプルなクルーネックセーターには、少し大ぶりのネックレスを合わせると一気に華やかに。Vネックセーターには、華奢なネックレスを合わせるとデコルテが引き立ちます。また、セーターの胸元にブローチをつけるのも、クラシカルで上品なアクセントになります。ピアスやイヤリングで色や輝きをプラスするのも忘れずに。

スカーフ・ストール

スカーフやストールは、防寒だけでなく、コーディネートのアクセントとしても非常に優秀なアイテムです。セーターの首元にくるっと巻くだけで、顔まわりが華やぎます。大判のストールなら、肩からショールのように羽織るのも素敵です。セーターと色を合わせたり、逆に差し色になるような鮮やかな色柄を選んだりして、色合わせを楽しんでみてください。

ベルト

オーバーサイズのセーターや、チュニック丈のセーターを着た時に、少し間延びして見えるなと感じたら、ベルトでウエストマークしてみましょう。きゅっとウエストが締まることで、シルエットにメリハリが生まれ、スタイルアップ効果が期待できます。細いベルトなら上品に、太いベルトならカジュアルでモードな印象になります。

配色テクニック

色の組み合わせを意識すると、コーディネートの洗練度が格段にアップします。

ワントーンコーデ

セーターとボトムス、場合によっては小物まで、全身を同じような色味で統一するコーディネートです。例えば、ベージュのセーターに、アイボリーのパンツを合わせる、といった具合です。簡単におしゃれで洗練された雰囲気が出せるテクニックですが、のっぺりして見えないように、セーターはローゲージ、ボトムスはつるっとした素材など、素材感の違うものを組み合わせるのが成功の秘訣です。

差し色コーデ

ネイビー、グレー、黒などのベーシックカラーのセーターを着る時に、ぜひ試してほしいのが「差し色」です。バッグや靴、靴下、スカーフなどの小物で、一つだけ鮮やかな色を取り入れるテクニック。例えば、全身をグレーでまとめたところに、真っ赤なバッグを持つだけで、コーディネート全体がぱっと明るく、生き生きとした印象になります。

アースカラーコーデ

ベージュ、カーキ、ブラウン、テラコッタなど、大地や植物を思わせる自然な色(アースカラー)でまとめるコーディネートです。落ち着いた、こなれた大人の雰囲気を演出できます。それぞれの色が馴染みやすいので、組み合わせに悩むことが少ないのも嬉しいポイント。アースカラーのセーターは、一枚持っていると着回しが効いて便利です。

ボトムスとのバランス

トップスのセーターと、ボトムスのシルエットのバランスは、スタイルを良く見せる上で非常に重要です。「Aライン」や「Iライン」など、全体のシルエットを意識しましょう。

オーバーサイズセーターの場合

上半身にボリュームがある分、ボトムスはすっきりとまとめるのがセオリーです。スキニーパンツストレートパンツタイトスカートナロースカートなど、細身のシルエットのものを選ぶと、メリハリのある「Yラインシルエット」が完成し、バランス良く見えます。プリーツスカートなど、下に落ち感のあるスカートと合わせるのも素敵です。

ジャストサイズセーターの場合

体に程よくフィットするジャストサイズのセーターは、どんなシルエットのボトムスとも合わせやすい万能選手です。ワイドパンツやフレアスカートと合わせてAラインを作っても良いし、タイトスカートや細身のパンツと合わせてIラインを強調してもきれいです。コーディネートに困ったら、まずはジャストサイズのセーターを手に取ってみてください。

ショート丈セーターの場合

近年人気のショート丈(クロップド丈)セーターは、脚長効果が抜群です。ハイウエストのパンツやスカートと組み合わせるのが鉄板。ウエストの位置が高く見え、驚くほどスタイルアップして見えます。インナーにシャツやカットソーを合わせて裾からのぞかせるレイヤードスタイルも、お腹が見える心配がなく、おしゃれに決まります。

まとめ

ここまで、本当に長い道のりでしたね。セーターの基本知識から始まり、素材、編み方、デザイン、選び方、お手入れ方法、そして着こなし術まで、セーターに関するあらゆる情報をお届けしてきました。

もしかしたら、「セーターって、こんなに考えることがたくさんあるの?」と驚かれたかもしれません。でも、この知識があれば、もうお店で何となくセーターを選ぶことはなくなるはずです。タグを見て素材を確かめ、編み地の表情を楽しみ、自分の体型や持っている服との相性を考えながら、「自分にとって本当に価値のある一枚」を選び抜くことができるようになるでしょう。

そして、愛情を込めて選んだ一枚は、きっと大切にお手入れしたくなるはずです。少し手間はかかっても、丁寧にブラッシングし、優しく洗い、毛玉を取ってあげる。そうやって愛情を注いだセーターは、何年にもわたってあなたの冬に寄り添い、温もりを与えてくれる、かけがえのない相棒になるに違いありません。

この記事が、あなたのセーター選び、そしてセーターとの暮らしを、より豊かで楽しいものにするための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。さあ、クローゼットに眠っているセーターたちを、もう一度見直してみませんか?そして、この冬、新しい最高の相棒を探しに出かけてみませんか?

この記事を書いた人
こっとん姉さん

ファッションに迷っていた昔の自分のために、今は「迷わない服選び」をテーマに情報発信中。
年代・体型・気分、全部が変わる中で「着てて気分が上がる服」を大切にしてきました。
「ゆる可愛く、でもちょっとだけ背伸びしたい」そんな人に向けた情報発信が得意です。

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